HNC Hatworks はギリシアのアテネ近郊,ピレウス都市圏のニカイアにあるハンドメイドの帽子工房。Agnoulita というブランドの帽子各種(フェルト帽が主)を製作しており,Web で購入できる。
HNC Hatworks は,さらに,他のハットメーカーに帽体その他素材の卸売もしている。
ビデオクリップ(案内人は店主の Mr. Pappa Hats こと Παναγιώτης Σκάντζαρης 氏.使用言語はギリシア語)で店内の様子を垣間見ることもでき,中々興味深い。
Agnoulita 帽子は,伝統的な「円柱型のハットボックス」に封入され,送られてくる。
基本モデル(例えばフェドーラ,トリルビィ,ホンブルク,ボーラー,ポークパイ,トップハット,ボーター,パナマ,・・・)をベースに,頭囲の指定,ラビット/ビーバーファーの選択,帽体/ハットバンドの形状や色指定,クラウン高/ブリム幅/ハットバンド幅の指定,スウェットバンドの指定,ライナーの指定,ウィンド(ラペル)コードの装着,等々,至れり尽くせりのカスタマイズが可能。もちろん,店主に個人的に相談すれば,「完全なビスポークによる特製ハット」も製作してくれる。
そして,何より特筆すべきは,これほどの高品質にもかかわらず,びっくりするくらい「リーズナブル」ということ。
今日自宅に届いた(この店から購入した 7 点目: ホンブルク 3, フェドーラ 4)ビーバー・ファー・フェルト帽子(モデルは Tomaso: Dark_Slate/Iron)は,円安の現在でも,ギリシアから DHL Express の送料も込みで,55,000 円弱であった(日本での関税は 3,900 円)。ボルサリーノ社の帽子の値段を知っている者にとっては,文字通り,「破格」の値付けである。なお,3年前には Agnoulita のビーバー・ファー・フェルトのフェドーラは送料込みで 40,000 円未満で購入できた。
革スウェットバンド幅は Borsalino(Qualita Superiore)だと 3.5cm,
Agnoulita ではたっぷり 5cm あるので,頭汗が帽子のフェルト部やライナーを汚してしまうことはほぼない(頭頂部を除く.が,頭頂部と帽子トップ裏のライナーが接触していなければ大丈夫)。3.5cm のスウェットバンド幅では,私の場合,少々厳しい。
カスタムメイドの Agnoulita では,スウェットバンド・ボウのところに,帽子のサイズ・タグやメーカー・タグ等がごちゃごちゃ付いていないのもスッキリしていて良い。
なお,市販の Borsalino では 1cm 刻みのハット・サイズしか用意されていないので,私の場合,頭囲 56cm の帽子を選び,スウェットバンド裏に「サイズ調整テープ」を貼り付けてベストフィットの調整をしている。
Agnoulita では,最初から「55.6cm」という私のジャストフィット頭囲サイズで発注できるため,サイズ調整テープは一切不要である。
にもかかわらず,サイズ調整用の「薄片コルク」(cork size-reducers)を最初から 2 本同梱してくれる,というサービスの良さである。